N-VAN車中泊仕様を参考にG-Funで高機能作業車を作ってみた

以前、アルミフレームを組み合わせて棚とかを作れる「G-Fun」という商品でホンダ自動車のN-VANを作業車仕様に作ってみたんですが、いまいち使い勝手が悪かったのでネットでいろいろ調べて作りなおしてみました。一番参考になったのは車中泊仕様に自作しているN-VANの数々で、前回と大きく違うのは簡単に変形する事ができるのでいろいろな場面で活躍しそうです。

G-Funとは?

「G-Fan」とは、同様の物ではホームセンターで良く見かけるイレクターパイプのような物です。車に棚を作るためのフレームにしたり作業スペースを快適にする為に作る物の骨組みにしたりと以前はよく利用していました。今回もイレクターパイプでも良かったのですが、鉄製のパイプに樹脂をコーティングしている作りなので若干おもくて、基本的には接着剤で固定するので作り直しに融通が利きません。ボルトで絞め込む鉄製のコネクターもありますが、種類が少なくイメージを形にする事が困難でした。

そこで数カ月前にG-Funというアルミフレームの良さを実感したので(以前作った作業車はこんな感じです。クリックするとFacebookページを新しいタブで開きます。)軽量で強度も高くコネクターの種類が豊富でフレームの太さや形状に種類があるので設計に自由度が増し、そして機能美あふれる(かどうかは個人の感想)「G-Fun」で作ってみました。

オンラインショップでカスタムオーダー

前回はホームセンターで買ってきた1mとか0.3mとかに切ってある定尺のフレームを自分で切断して組み立てましたが、G-Funのオンラインショップでは指定した長さで切断して納品してもらえるので、今回は設計をしっかり煮詰めてオンラインでカスタムオーダーしてみました。

ミリ単位で切断注文できるので、端材も出ないし届いた物を自分で描いた設計図通りに組み立てるだけなので、商品が届いてから完成まで半日もかからずとても簡単でした。

そして切断注文した場合、フレームの単価は定尺物より若干高くなりますが、使いもしない無駄な端材を買う事にならないし、切断する手間も省けるし端材の処分にも困りません。特に切断は切るだけでも難しいし、きれいな切り口にならないので寸法を合わせる事は至難の業なので、設計さえミリ単位で追い込む事をやっておけばオンラインショップの方が断然楽だし正確できれいな仕上がりになります。

何かここまで「G-Fun」をベタ褒めすると、リベートでも発生しているような感じになっていますが、勿論何もありません。むしろ下さい。(笑)

兎にも角にも基礎が肝心

G-Funの宣伝はこれぐらいにして、作り方を簡単に説明してみます。

先ずは切断寸法を出さなければ注文できないので、設計の段階が一番肝心です。その寸法を出すためには私のお腹の様なブヨブヨの床では採寸できないので、しっかりした床を作る必要があります。

ちなみにN-VANの場合、タイヤハウス間の幅は900mmなので幅900mmの定尺のコンパネをポンと敷くことできっちり収まります。

しかし、床材は普通12mm厚ぐらいのコンパネを使うと思うのですが、車の床全体を覆うような床を作るとなるとスライドドア間の幅はそこよりも広くその部分もきっちり平らに広げる必要があり、さらにドア形状に沿った凸凹を成型する必要があったので一枚が細長く軽いフローリング材は、狭い車内での取り回しが楽な分、加工がし易いのでフローリングの両サイド部分だけ型を取って加工すれば簡単かなと思い、今回は1.8m×0.3mぐらいのはめ込み式(さね)のフローリング4枚をホームセンターで買ってきて床を作りました。

おそらくですが床全体の重量も12mm厚のコンパネより軽く仕上がる印象で、表面に傷が付きにくい加工もしてあります。※重量については計っていないのであくまで感覚です。

N-VAN 床

我ながら上出来!

今回一番難しかったのはこの床の作成で、この床さえできればイメージした形になるように採寸するだけです。注意するのはセカンドシートを格納してフラット面になった上に板が載る部分は沈み込みが大きいので数ミリの厚さのコンパネを今回作ったフローリングの下に敷いて、沈み込みによるゆがみ対策をしています。これをやっておかないと全体的にフラットな状態にならないので採寸が狂ってしまいます。

コネクタを選ぶ際はアウタータイプとインナータイプがあり、それによって切断するフレームの長さが変わるので統一する必要があります。

こだわりポイント

  • 今使っているプラスチック製の引き出しを使う。
  • 常備する工具等は全て床下収納にして床上の積載スペースを最大にする。
  • 車内からも床下の物にアクセスできるようにする。
  • 作業スペースを外に拡張できるようにする。
  • 簡単に自転車を積めるスペースを作れるようにする。
  • 簡単に寝るスペースを作れるようにする。

つまりは車中泊仕様の車を作るイメージで情報収集し工夫してみました。

G-FunのフレームにはN、S、Gの3種類の太さが基本で、色付もありますし、断面の形状が違うものも数種類あります。今回は床を高くするイメージですので重量物が載っても歪まないようにNサイズでより高強度の肉厚フレーム=NHを選択しました。

そしてこのNHフレームの内側にSフレームがピッタリ入るのでスライドさせることができるのです。

下の写真はNHフレームにSHフレーム(Sフレームの肉厚)を入れた状態です。

G-Fun NH

今回最大の注目ポイントです。

この構造にする事でスライドが可能になり、おまけに強度もアップします。

床を二分割できるように2つのフレームを組み立てます。

自転車や重量のある長尺物を載せる事を考えなければ分割する必要は無いので、大きな一枚のフレームにすれば良いのでもっと簡単な構造になりコストも安く済みます。

N-VAN 車中泊フレーム

脚を取付てフレームを完成させるまでは2時間もかからなかったと思います。

この時点で補強の筋交いコネクタの数が足りなかったので入っていませんが、近くのホームセンターで購入できるのがとても便利だなと思いました。

N-VAN+G-Fun

手前と奥の黄色いフレームは自分で塗ったものではなく、またアクセサリーを取り付けるための溝があるタイプのちょっと変わったフレームです。

ここもこだわりポイントです。

そしてこの手前と奥側の黄色い2か所をスライドするように作ってみました。

リアゲート側をスライドするとこんな感じです。

このスライドしたフレームにコンパネを載せると作業スペースがリアゲート下に広がります。リアゲートがオーニングの役割になり直射日光から(髪の毛がさみしくなった私の)頭皮を守ってくれます(笑)

助手席側もこんな感じでスライドします。

助手席側スライド部分に板を載せるとこんな感じ

床下に今まで使っていた幅の違う2種類の収納ケースを入れるとこんな感じです。

左のボックスがちょっとずれてる(^_^;)

上の写真のように引き出し式の収納ケースを納めた形ではできませんが、メインとなる床を6分割にしたのはこの高床の上に人が乗った状態で床を起こし床下に収納した物を取り出すことができるようにしたかったからです。

そしてこの収納ケースは簡単に取り出すことができるように、滑り止めシートを敷いてそれに乗せているだけにしてあります。

更に左右(助手席側運転席側)2組に組み立てたフレームは、中央に見える2本の脚をコネクタで3か所を繋げているだけなのでこれまた分割も簡単です。

自転車などを載せる場合は左側半分のフレーム一式の状態で外しフローリングの上に自転車を積み込みます。

ちなみにフレームに乗っているそれぞれのコンパネは、滑り止めとしてフレームに合わせてコンパネの端切れを裏側に貼り付けてずれないようにしてあり、スライド部分に乗せるコンパネ2枚は前後のスライドのどちらにもピタッとハマるように工夫しています。

おそらくスライド部分を前後どちらも引き出して使うシチュエーションは無いと思うので、コンパネは使いまわし仕様にして収納スペースが無駄にしないようにしています。

サイド側収納ボックス(普段はスライド部分を格納)

また、納期がかかってこの写真には写っていませんんが、助手席側スライドの脚の高さは微調整できるようにしてあります。

微調整できる様にした理由は助手席側スライドを引き出した場合、場所によってフローリングからの水平が取れないで脚が少し浮いた状態になるからです。

この状態で床下には奥行き74cmの収納ボックスが合計3個収まっています。今までと変わらない収納力なのに大きな物や大量の段ボール箱も積むことができます。

走った感じも今までよりカーブで車体が外側に倒れるような感覚は少なくなり、床全体に荷物が分散された効果なのか後ろだけ重い感覚もなくなりブレーキを踏んだ際の姿勢も変化が少なくなったように思います。

大満足!

車中泊するなら

今回は車中泊が目的ではなく(ほんとかな?)、資材や工具をどんな形状の物でもたくさん積み込めるようにフラットな床下収納を作りたかったのでこれで完成ですが、今流行の車中泊は無理なくできるなと、その無限の可能性は感じています。

たとえばリアの窓には何となく有孔ボードを取り付けて何となくフックを取り付けて何となく引っかかるものを吊るしていますが、ここへ折り畳み式か脱着式のテーブルでも使えるように作ればもうキャンピングカーぽさが一気にあふれ出てきます。(笑)

床に絨毯を敷けばなおさら。六分割したコンパネにそれぞれクッション用のスポンジを載せて丈夫な布で包んでしまえば更に快適ではないでしょうか。

数週間使ってみて細かな改良を加えていますが、現在は4つに折り畳める薄めの畳を床下に収納していて、それをパタパタと広げると1.4m×0.7mになり1.4mという長さはちょうど今回の高床の長さとピッタリで昼休みはそれを引いて爆睡しています。とても快適で午後は仕事をする気になりません。(笑)

また、普段は助手席を起こして座れるようにしていますが、車中泊モードを発令し助手席側のスライド部分を引き出すと2mぐらいの長さを確保できるので、遮光カーテンさえあればおそらく朝まで爆睡コース間違いないでしょう。

ここまで設計1週間、組み立て1日で簡単に高機能車中泊作業車仕様ができました。どなたかの参考になればと思いアップしておきます。

とまあこんな感じでコロナ禍の仕事が薄い中、楽しみを見つけながら働いています。最近盛岡も増えてきましたね。できるだけ早い収束を願うばかりです。

それではまた。

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